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外出から帰って鏡を見ると、頬や鼻、肩が赤くなっていた。そんなときは、急いで化粧水を重ねるよりも、まず肌のほてりを落ち着かせることが先です。
ただし、早く冷やしたいからといって、凍った保冷剤を日焼けした部分へ直接押し当てるのは避けましょう。強すぎる冷却が新たな刺激になるおそれがあります。
日焼け後の基本的な順番は「日差しを避ける→冷たい水や濡れタオルで冷やす→ほてりが落ち着いてから低刺激の保湿」です。
この記事では、保冷剤を使う場合の安全性を重視した方法と、グリチルリチン酸配合化粧水を選ぶ際の注意点、こすらず角層までなじませる手順を整理します。
日焼け後に赤くなるのは肌で炎症が起きているため
日差しを浴びた後に肌が赤くなり、熱を持ったように感じる状態は、紫外線による急性の皮膚反応です。軽い赤みだけで済むこともあれば、痛み、腫れ、水ぶくれを伴うこともあります。
赤みは日光を浴びた直後には目立たず、数時間たってから強くなる場合があります。帰宅時に問題がなくても、夜になってほてりが増すことがあるため、その日は肌の状態を観察してください。
日焼けした肌は刺激を受けているため、普段は問題なく使えている化粧品でも、しみたり赤みが強くなったりすることがあります。最初から複数の美容液やパックを重ねず、冷却とシンプルな保湿を優先しましょう。
最初にすることは、日差しから離れて肌を冷やすこと
赤みやほてりに気づいたら、日陰や屋内へ移動し、それ以上紫外線を浴びないようにします。屋外にいる必要がある場合は、肌に密着しすぎない衣類や日傘などで患部を覆ってください。
冷却には、冷たすぎないシャワー、流水、冷たい水で濡らして絞った清潔なタオルが使いやすい方法です。米国皮膚科学会も、日焼け後の不快感をやわらげる方法として、冷たいシャワーや湿らせた冷たい布を案内しています。
氷水や凍った保冷剤で一気に冷やす必要はありません。肌が心地よいと感じる温度で、熱感がやわらぐまで休みながら冷やします。
【日焼け後に行う冷却と保湿の順番】

保冷剤を日焼けした肌へ直接当ててはいけない
凍った保冷剤や氷を肌へ直接当てると、温度が低すぎて痛みや感覚低下を招く可能性があります。日焼けした部分はすでに刺激を受けているため、強い冷却を追加しないことが大切です。
英国の公的医療サービスであるNHSは、日焼けした皮膚に氷や保冷剤を置かないよう案内しています。そのため、日焼け後の冷却では、保冷剤よりも冷たい濡れタオルや冷水シャワーを優先するのが無難です。
保冷剤は患部へ押し当てず、濡れタオルを冷やすために使う
手元に保冷剤しかない場合は、患部へ直接密着させるのではなく、冷却用の濡れタオルを冷やす補助として使う方法があります。
- 清潔なタオルを冷たい水で濡らし、軽く絞ります。
- 保冷剤を別のタオルで包みます。
- 包んだ保冷剤で、濡れタオルの肌に触れない面を冷やします。
- 適度に冷えた濡れタオルを、日焼けした部分へそっとのせます。
- タオルがぬるくなったら外し、必要に応じて交換します。
保冷剤の硬い面を患部へ押しつけたり、冷たさを我慢して長時間固定したりしないでください。
冷却中に痛みが増す、肌の感覚が鈍くなる、色が白っぽく変わるといった異変を感じたら、すぐに中止します。
広い範囲は冷やしすぎにも注意する
背中や脚など広い範囲を長時間冷やすと、体全体が冷えてしまうことがあります。特に乳幼児、高齢者、体調がすぐれない人では注意が必要です。
広範囲の日焼けは、冷たいシャワーを短時間利用し、体調を見ながら休む方法が適しています。寒気や震えが出るほど冷やしてはいけません。
化粧水を使うのは、強いほてりが落ち着いてから
日焼け直後の肌が熱く、ヒリヒリしているときは、化粧水より冷却を優先します。肌が熱を持った状態で化粧水を何度も塗ると、塗布時の摩擦や配合成分が刺激になることがあるためです。
冷却後、熱感がやわらぎ、触れたときの強い痛みがないことを確認してから保湿します。
| 肌の状態 | 優先する対応 | 化粧水の使用 |
|---|---|---|
| 軽い赤みだけで、強い痛みがない | 冷却後にシンプルな保湿 | 少量から試す |
| 触れると強くヒリヒリする | 冷却して刺激を避ける | 無理に使用しない |
| 皮がむけている | こすらず保護する | しみる場合は中止する |
| 水ぶくれや強い腫れがある | 水ぶくれをつぶさず医療機関へ相談 | 自己判断で塗り重ねない |
グリチルリチン酸配合化粧水を選ぶときの確認点
日焼け後に使う化粧水として、グリチルリチン酸ジカリウムやグリチルリチン酸2Kを配合した製品が候補になることがあります。
グリチルリチン酸ジカリウムは、薬用化粧品に使われる有効成分の一つです。ただし、成分名が書かれているだけで、すべての製品が同じ働きや使用感になるわけではありません。
化粧品と医薬部外品では、表示の意味が異なります。医薬部外品として承認された製品の場合は、「肌あれを防ぐ」など、その製品に認められた効能表示を確認できます。一般化粧品の場合は、主に整肌成分として表示されます。
購入時は、パッケージや商品説明で次の点を確認してください。
- 「医薬部外品」または「薬用」と表示されているか
- 有効成分欄にグリチルリチン酸ジカリウムなどの記載があるか
- 香料、エタノール、清涼成分など、普段刺激を感じる成分が入っていないか
- 使用方法や使用上の注意が明記されているか
- 傷、腫れ、湿疹などがある部位への使用について注意書きがないか
「グリチルリチン酸配合=誰にでも低刺激」とは限りません。刺激の感じ方は、製品全体の処方や肌の状態によって変わります。
日焼け直後は、メントールなどの清涼成分でスーッとする製品や、角質ケア成分、スクラブ、ピーリング成分、高濃度をうたう美容液を避けたほうが無難です。
化粧水を角層までやさしくなじませる手順
化粧水は、多く塗るほど日焼けが早く落ち着くものではありません。肌をこすらず、刺激を感じない範囲で少量ずつ使います。
化粧品の「浸透」という表現は、基本的に角層までを指します。手で強く押し込んだり、長時間パッティングしたりする必要はありません。
1.手と容器を清潔にする
化粧水を使う前に手を洗います。日焼け部分に水ぶくれや皮むけがある場合は、汚れたコットンやタオルを繰り返し当てないようにしてください。
2.少量を腕などで確かめる
顔全体へ塗る前に、日焼けが比較的軽い部分へ少量をつけます。ピリピリ感、痛み、かゆみ、赤みの増加がないか確認しましょう。
塗った直後に強くしみる場合は、効いているのではなく刺激になっている可能性があります。洗い流せる状態なら冷たい水でやさしく流し、使用を中止してください。
3.手のひらへ適量を取る
清潔な手のひらへ、製品に記載された適量を取ります。冷蔵庫で冷やす場合は、メーカーが冷蔵保存を認めているか確認してください。
化粧水を凍らせたり、容器ごと極端に冷やしたりする方法は避けます。製品の品質が変化する可能性があるためです。
4.肌へそっと置くようになじませる
指先でこすり広げず、手のひらを軽く当てるようになじませます。赤みが強い部分は圧迫せず、手を短時間触れさせる程度にします。
コットンは均一に塗りやすい一方、日焼け後の肌では繊維や摩擦が刺激になることがあります。普段コットンを使っている人も、この時期は手で塗る方法を検討してください。
5.必要なら低刺激の保湿剤を重ねる
化粧水だけでは水分が蒸発しやすいため、刺激がなければ無香料などのシンプルな乳液や保湿剤を薄く重ねます。米国皮膚科学会は、日焼け後には肌が湿っているうちに保湿剤を塗る方法を案内しています。
ただし、塗ると熱がこもるように感じる場合や、ヒリヒリ感が強くなる場合は無理に重ねません。水ぶくれや皮膚の損傷がある部位は、医師や薬剤師へ相談してください。
【化粧水をこすらず角層までなじませる5ステップ】

化粧水パックは日焼け直後には慎重に
コットンへ化粧水を含ませて長時間のせる方法は、ひんやり感じる一方で、乾いたコットンが肌へ張りついたり、はがすときに摩擦が生じたりします。
また、化粧水に含まれる成分と肌が触れる時間が長くなるため、日焼けで敏感になった肌には刺激となる可能性があります。
日焼け直後は、化粧水を使ったパックよりも、清潔な濡れタオルによる短時間の冷却を優先しましょう。化粧水は、ほてりが落ち着いてから手で少量ずつなじませるほうが状態を確認しやすくなります。
日焼け後に避けたいケア
| 避けたい行動 | 注意する理由 |
|---|---|
| 氷や凍った保冷剤を直接当てる | 冷たすぎる刺激によって肌を傷める可能性がある |
| 洗顔ブラシやスクラブを使う | 摩擦が赤みや痛みを強める可能性がある |
| 熱い湯へ長時間つかる | ほてりや乾燥を感じやすくなる |
| 皮を無理にはがす | 皮膚を傷つけ、感染につながる可能性がある |
| 水ぶくれをつぶす | 傷口から細菌が入る可能性がある |
| 化粧品を何種類も試す | 刺激が出たときに原因を判断しにくい |
| 再び強い日差しを浴びる | 回復途中の肌へさらに紫外線刺激が加わる |
日焼け翌日からも赤みがあるときの過ごし方
翌日も赤みが残っている間は、できるだけ直射日光を避けます。外出時は、日傘、帽子、衣類などを使い、患部に摩擦がかからない方法で覆ってください。
日焼け止めを塗ると強くしみる場合は無理をせず、まず物理的に日差しを遮ります。赤みが落ち着いてから、敏感な肌にも使えるかを確認し、少量ずつ再開しましょう。
洗顔や入浴では、熱いお湯と強い洗浄を避けます。タオルで水分を拭き取るときも、こすらず軽く押さえてください。
汗をかくとしみることがあるため、激しい運動、サウナ、長時間の入浴なども、痛みやほてりが残っている間は控えたほうがよいでしょう。
水ぶくれや体調不良がある場合はセルフケアだけで済ませない
軽い赤みやほてりは自宅で様子を見られる場合がありますが、日焼けの範囲や症状によっては医療機関への相談が必要です。
次のような状態がある場合は、皮膚科などの医療機関へ相談してください。
- 広い範囲に水ぶくれができている
- 顔や目の周辺が強く腫れている
- 痛みが強く、眠れない
- 発熱、寒気、吐き気、めまい、強いだるさがある
- 水分を十分に取れない
- 赤みや腫れが日ごとに強くなっている
- 膿、強い熱感など感染を疑う変化がある
- 乳幼児が日焼けした
- 持病がある、または薬を使用している
体調不良を伴う場合は、皮膚だけでなく熱中症の可能性も考える必要があります。涼しい場所へ移動し、水分を取れる状態なら少しずつ補給し、症状が強い場合は速やかに医療機関へ相談してください。
よくある質問
Q. 日焼け後は何分くらい冷やせばよいですか?
A. 一律の時間を守るより、冷たい濡れタオルなどを使い、肌の熱感や不快感がやわらぐまで休みながら冷やします。冷たさで痛みやしびれを感じるほど続けないでください。
Q. 化粧水を冷蔵庫で冷やしてもよいですか?
A. 商品ごとの保管方法に従ってください。冷蔵保存に対応していない製品は、品質が変化する可能性があります。凍らせたり、極端に冷やしたりする方法は避けましょう。
Q. グリチルリチン酸配合なら、どの化粧水でも日焼け後に使えますか?
A. 成分が配合されていても、日焼けした肌に必ず刺激が起こらないとは限りません。香料、エタノール、清涼成分などを含む製品もあります。少量から試し、しみる場合は中止してください。
Q. 美白化粧水はすぐに使ったほうがよいですか?
A. 日焼け直後の赤みや痛みがある間は、積極的な美容ケアより冷却とシンプルな保湿を優先します。普段使っている製品でも刺激を感じることがあるため、肌が落ち着いてから少量ずつ再開してください。
参考資料
- 公益社団法人日本皮膚科学会「日焼け―皮膚科Q&A」(2026年7月21日確認)
- 厚生労働省「いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて」(2026年7月21日確認)
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬部外品の申請資料概要」(2026年7月21日確認)
まとめ
日焼け後に赤みやほてりがあるときは、化粧水を急いで重ねるのではなく、まず日差しを避けて肌を冷やします。
冷却には冷たい水や清潔な濡れタオルを使い、氷や凍った保冷剤を患部へ直接当てないことが重要です。
保冷剤しかない場合は、患部へ押し当てるのではなく、濡れタオルを冷やす補助として使うと、冷たすぎる刺激を避けやすくなります。
化粧水は、ほてりが落ち着いてから少量を試してください。グリチルリチン酸配合という表示だけで判断せず、医薬部外品かどうか、香料やエタノールなど刺激になり得る成分、製品ごとの注意事項も確認します。
肌へなじませる際は、強くパッティングせず、手のひらでそっと触れる程度で十分です。しみる、痛みが増す、赤みが広がる場合は使用をやめましょう。
水ぶくれ、強い腫れ、発熱、吐き気、めまいなどがある場合は、化粧品によるセルフケアを続けず、医療機関へ相談してください。


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